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2026/04/30
【獣医師監修】人と同じ感覚でフードを選ぶと失敗する理由
「体にやさしい食事」と聞くと、おかゆや野菜中心のメニューを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
人にとっては、消化がよく、体に負担が少ないイメージですよね。
ですが――
犬の場合、この“人にとっての常識”は当てはまりません。
■犬は「よく噛んで消化する」動物ではない
人は食べ物をしっかり噛み、唾液と混ぜることでその消化を助けます。
一方、犬はどうでしょうか。
犬は食べ物を細かく噛むのではなく、ある程度の大きさのまま飲み込むという食べ方をします。
また、人の唾液には消化酵素が含まれていますが、犬の唾液にはその働きがほとんどありません。
つまり犬は、「口の中で消化を始める」ことが得意ではない動物なのです。

■腸の長さにも違いが
さらに人の体との大きな違いは、消化管のつくりです。
人は穀物や野菜なども消化できるよう、比較的長い腸を持っています。
一方、犬の腸はそれよりも短く、食べ物を長時間とどめて消化することには向いていません。
腸管の長さからも、犬は消化に時間のかかる食材よりも、効率よく吸収できるものを得意としているといえます。
■犬が消化しやすい食べ物
では、犬が効率よく消化・吸収できる食べ物とは何でしょうか。
それは、お肉(動物性たんぱく質)です。犬はお肉に含まれるたんぱく質や脂質を効率よくエネルギーに変えられるだけでなく、健康な体作りに不可欠なビタミンやミネラルといった栄養素も吸収しています。 まさに、犬にとってお肉は最高の栄養源といえるのです。
人の感覚では「お肉=毎食は食べられない」「消化に時間がかかる」という印象があるかもしれませんが、犬にとってはむしろ逆で、ごはんやパンよりも、お肉のほうが効率よく消化できるのです。
■「消化にいい」の基準は、人と犬で違う
ここで大切なのは、消化にいい食べ物の基準が人と犬で違うということです。
人にとってお腹にやさしい食事が、必ずしも犬にとっても同じとは限りません。
例えば、穀物を多く含む食事は、犬にとっては消化しきれずに体の負担になることもあります。
逆に、良質なたんぱく質は犬にとって効率よく体づくりやエネルギーに使われます。
■愛犬の体に合った食事を選ぶ
愛犬の食事を考えるとき、つい「人の健康的な食事」を基準にしてしまいがちです。ですが、犬には犬の体のしくみがあり、それに合った栄養バランスがあります。
大切なのは、“人にとって良いか”ではなく、“犬の体に合っているかどうか”という視点です。

■うんちからわかる「消化できているかどうか」
毎日の食事が愛犬の体に合っているかどうか。実はそれを一番わかりやすく教えてくれるのが、うんちの状態です。
もし、
・やわらかい便が続く
・量が多い
・においが強い
といった変化が見られる場合、それは食べたものをうまく消化・吸収できていないサインかもしれません。
特に米や小麦、トウモロコシなど、犬にとって消化しにくい原材料が多い場合、消化・吸収されないまま排出され栄養としてうまく活用できないことがあります。
反対に、体に合った食事を摂れていると、便の状態は安定し、適度な硬さで量も臭いも落ち着いてきます。これは食べたものを栄養としてうまく活用できているという事にもなります。
愛犬の健康状態を知るために、毎日のうんちをきちんと観察し、「しっかり食べているか」だけでなく、「きちんと消化できているか」という視点も大切にしながら、食事を見直してみてください。





